公方酔記

ぐだぐだ雑記。酔っぱらったときのみ更新。

4.07.2009

『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険 』鈴木光太郎著

オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険


最近読書ペースが落ちている。週に1冊は読みたいのに、月1冊程度しか読んでいない。iPhoneをさわっている時間が多すぎるからなのだけど。

さて鈴木光太郎著『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険』。
朝日新聞の書評で紹介されていたので昨年末に買って4ヶ月もかけてゆっくりと読んだ。トイレブックとして、毎朝数段落ずつ読んだのだよ。

こ の本のテーマは「心理学の神話」。表題となっている「オオカミ少女」は実在したのか、「サブリミナル効果」は本当か等、人口に膾炙する心理学上の具体例… 実証してみればそれが本当でないもしくは信じるに足る証拠がないにも関わらず、検証なしに流布されている事柄…がどの様に作り上げられ、広げられたか、ま たどこに問題があったのかを説明している。

興味深いと思うので、以下に目次をば。
第1章 オオカミ少女はいなかった—アマラとカマラの物語
第2章 まぼろしのサブリミナル—マスメディアが作り出した神話
第3章 3色の虹?—言語・文化相対仮説をめぐる問題
第4章 バートのデータ捏造事件—そしてふたごをめぐるミステリー
第5章なぜ母親は赤ちゃんを左胸で抱くか—ソークの説をめぐる問題
第6章 実験者が結果を作り出す?—クレヴァー・ハンスとニム・チンプスキー
第7章 プラナリアの学習実験—記憶物質とマコーネルをめぐる事件
第8章 ワトソンとアルバート坊や—恐怖条件づけとワトソンの育児書
終章 心理学の歴史は短いか—心理学のウサン臭さ消すために

各 章で取り上げられている「心理学の神話」の正誤もさることながら、その過ちのプロセスの解説にとても面白さを感じた。また、検証もなくそれを事実として流 布するメディアや教科書の姿には、心理学に限らず、存在する実在よりも観念、気分に流されがちな社会の危うさを想起させた。

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